• 目次
  • 1.なぜ今、渋沢栄一「論語と算盤」なのか
  • 2.第一:処世と信条
  • 3.第二;立志と学問

渋沢栄一「論語と算盤」を簡単に解説

1. なぜ今、渋沢栄一「論語と算盤」なのか

こんにちは、最近はインプットばかりが増えており、本日は溜め込んでいた「論語と算盤」の解説をしたいと思います。

相方のエンジニアりんたろうに力説するも頑なに読まないので、今回は本記事に僕が特に良いと思った部分を簡単にまとめています。

次の新1万円札になると言われる「渋沢栄一」

一体彼がどんな人なのか大前提皆さんはご存知でしょうか?ここで詳細を説明するとそれだけで話が終わるので簡単に。

【藩士→政治家→実業家】
それもあり、かなりバランスの長けた人物であります。功績は枚挙にいとまがありませんが、ビジネスの側面だけ軽く触れます。

みずほ銀行・東京海上、帝国ホテル、秩父鉄道、キリン、サッポロ・・・
などの多種多様な企業の設立に携わる

その他にも政治にも社会貢献活動にも沢山寄与しています。戦後の日本の礎を築いた立役者といっても過言ではありません。

とにかくとんでもないお方です。

そして何故今からから学ぶのか。それは大きく三つ理由があります。

  • ■「論語と算盤」から学ぶ理由
  • ①現代には確固たる日本人の信じるものがないため
  • ②先人の経験談から道を大きく踏み外さないため
  • ③日本人として歴史を知っておくため

特に②に関連するのですが、渋沢栄一はこんな一説を第二の「立志と学問」で述べております。

大蔵省までの十数年は空費だった。

つまりこのような偉人の方でも大きく道を踏み間違えることはあるということで、読者にはそんなことをして欲しくないという気持ちが込められています。

先人の失敗から学び志を見誤るな。という歴史的偉人からのメッセージです。

2.第一:処世と信条

とにかくとても濃い内容となっています。
是非一度全て読んで頂きたいですが、忙しい方向けに三つに分けてお話します。

この章では「人はどうあるべきか」という抽象度の高い章になります。

「人生歩む上でこういう意識は大切にね」といったイメージです。

本のタイトルである「論語と算盤」という言葉ですが、こういった言葉も連想されます。
「士魂商才」「和魂商才」

つまりどういうことかというと、「道徳」と「知識」の掛け算のような意味合いです。
今風に言葉を置き換えると、BizDev(Business×Development)のようです。

少し意味合いが変わってくるのでもう少し噛み砕くと、ビジョン×事業 そんなイメージかと思います。

大切な心があって知識を持つというような意味合いです。

この和魂というのは所謂、日本「武士道」のようで、興味のある方は是非そちらも読んで見てください。

そしてここで語れる重要な点を箇条書きで軽くまとめます。

重要な点
・時期を待つ(成り行きを広く眺め、気長にチャンスを待つ)
・人は平等(自分を徳にして、他人を徳にする)
・争いは発展のために必要
・視、観、察の三つを知る
・蟹穴主義
・何事も誠実さを基準とする
・得意と失意
・名声と失敗

はじめに、「視、観、察」
人をみる時に使います。

視:いわゆる人の外側
観:その人の動機
察:もっと深い深い部分

具体例でいうと、「僕は社長になって年商5兆円を目指します!」と謳ってる人がいたとして、その言葉自体は「視」で見た通りで、その動機について「観」を使うと、意外にも「儲けたいだけ」とかが見えてくる。

それでも「観」を誤魔かせる人も勿論いて、そこで「察」が必要になるわけです。「皆さんのためにこの事業を作りました!」なんてマーケをして、裏では全然違った行いをしているとかですね。

なるほど、そういう見方があるのかと是非意識してください。

次に「蟹穴主義」
これは簡単にいうと、「自分の身の程を知りなさい」という内容です。
特に若い人が注意すべきは、その喜怒哀楽にあると言います。

漢字の由来通り、蟹は自分の甲羅の大きさ程の穴しか作らないためそのように言われています。
感情が乱高下するときに、自分に謙虚でいなさいという教訓です。

最後に「得意と失意」
これは簡単にいうと、「小さいことは分別して大きなことには驚くな」という内容です。
つまり、気持ちを緩めすぎず同時に落胆しすぎるなというものです。

渋沢栄一は儒教を強く信じているので、孔子の「中庸」の概念が強くあります。
「中庸」というのは、偏りすぎないということです。

少し固い内容ですが、行き詰った時に幅広い視野で臨むといいと思います。

3.第二:立志と学問

ついにこの章です。
ここでは「変な道に外れず謙虚にただ学び続けること」という内容です。

特に重要な点は、努力は大切だけれど矛先を間違いえないようにという、渋沢氏の経験談からかなり気持ちのこもった内容となっております。

重要な点
・自ら箸を取れ
・大きな志と小さな志
・立派な人間の争いであれ
・社会と学問の関係
・一生涯に歩む道

はじめに、「自ら箸を取れ」
特に今の時代に当てはまっているように思います。つまり「チャンスは無数にあるけど取るのは自分次第」という内容です。

その他にも彼は、若者はついつい軽蔑する癖があると言います。例えば、この記事も若い人が見たら「固いことばっかり言ってこんなのいらねーよ」と歴史を軽んじることもあるかもしれません。

そこで「小さいことでも勤勉に忠実に誠意を込めること」と渋沢氏は仰っています。

僕も「こんなことして意味があんのかよ」と生意気に思うことがありますが、どれを取っても基礎を学んだ上でその発展をしていくのが何事も理想であるように思います。

次に、「大きな志と小さな志」
大きな志:これなら一生貫けるというもの
小さな志:自分もあんな風になりたい

これは会社でいうビジョンと足元の事業のような関係で、それを自分の人生に適応しているイメージです。

そのため、大きい志を立てるときは慎重に小さい志はそれにはみでないくらいで調整するということです。

これは言語化が難しいですが、是非本書を手にとって具体的に読んでもらえればと思います。

渋川氏はこれを見誤り、真の立志は実業家になると決めた時と仰っています。
つまり、それまで目先の努力を続けてきたのは良いが矛先がずれていたということですね。

努力はもちろん重要だけれど、大局観を忘れずに足元の行為をみなさいという内容です。

少し内容が固かったかもしれないですが、次回記事では最後の三つ目の紹介と実際にこれを自分にどう活用していくのかについて書きたいと思います。

何かご相談があればTwitterなどでDM等頂ければと思います。

というわけで以上です。
» 平社員Ash@Space (@SpacedreamAsh) | Twitter